あっ…… 忘れていた。 こんな状況になったのも、あのコトがあったからだった。 何でこんな大事なことを忘れていたんだろう。 この人は…… 人殺しだ。 私は、それを思い出したとたん、怖くなった。 彼の隣にいるのが怖くなったんだ。 だから、逃げたくなった。 逃げれる訳がないと分かっているのに。 だって、今彼が何をする気か、分かった気がするから。 「やっぱり、千紗ってするどいよな。 いい勘しているよ」