じっと見つめていると、彼は何かに気付いたように、私から視線を外す。 「おっと、お楽しみ中残念だけど、行かないとな」 「え?」 「続きは、またあとで」 完全に、油断していた。 妖艶な笑みを零したあと、触れるだけのキスをした。 そして、私の手を握ったまま、歩き出す。 「ちょっと、どこへ行くんですか?」 引っ張られるような形で歩き出したから、よろけそうになった。