その間、彼はなぜだか、ずっと私の手を握っていた。 逃げれる訳もないのに。 私は、それを振りほどきはしなかった。 彼の温もりが、心地よかったんだ。 「はい、降りて」 「え?」 そんなことを思っていると、急に車を停めて言われた。 降りたそこは、カップルに人気のデートスポットの1つで、夜景が綺麗な場所だった。 そのため、周りもカップルだらけだった。