「簡単に帰すと思った?」 色っぽさとか、どうでもいい。 その瞬間、しまったと思った。 そして、自分の行動を恨んだ。 昨日、あんなことがあったばかりなのに、なぜ素直に車に乗ったのか。 だけど、もう遅い。 車は動いている。 その中から逃げることなんて、とうてい出来るはずがない。 私は、行き先も分からず、ただおとなしくしているしかなかった。