そんな風に考えている私は、一気に思考が停止した。 気付いた時には前から抱きしめられていて、彼の顔が目の前にあった。 そして、唇には生暖かい感触があった。 少し触れるぐらいの、簡単なキスだった。 「これは、口止めな。 千紗はもう共犯。 だから、オレから逃げることは出来ない。 いつだって見ているよ。 もちろん、警察に行ったら許さない。 ただし、オレのことを黙っててくれたら…… イイコトしてあげる」