そんな時、急に私たち以外の声がした。 それは、聞き慣れた声だった。 驚いた私たちは、2人で振り向いた。 少し離れたそこには、刑事がいた。 それは、おばさんの家で話し、以前もよくお世話になっていた刑事だった。 忘れていた。 自分のことに、いっぱいいっぱいで。 見かけなかったことで、安心していたのかもしれない。 ここで見ないからと言って、自由になっている訳ではないのに。 「走れる?」 後ろから抱きしめたままの彼が、こそっと私に呟いた。