私は、わざと早くに起きた。 「お世話になりました」 おばさんに一言、お礼をする。 「こんなに早く帰らなくてもいいのにー」 「そうだよ。 もう少し、ゆっくりしていけばいいのにさ」 鈴奈もおばさんと一緒になって、引き止めようとする。 「ごめんね。明日から仕事だから」 そう言って、玄関へ向かう。 仕事も本当のこと。 だけど、最大の理由は、刑事。 おそらくあるであろう、刑事の追跡。