だけど、なぜだろう。 何か証拠でもあったのだろうか。 「それ以上は、言えません」 それでも刑事は、何も言わず口を閉ざした。 私の心は、ざわついていた。 重要参考人は、彼だけだろうか。 私は今、どの位置にあるのだろうか。 逢ってまだ1時間ぐらいだけど、刑事の目は疑惑を持っている。 知らないと言った時、ほんの少しだけ首を傾げられた。 知らないはずはないだろうと言われたようだった。