水色べんとう

「笹木」
 
いつもの屋上だった。でも、いつも通りじゃないのは、あたしより先に笹木がいたこと。夕方の屋上は夕陽に照らされていて、綺麗だった。

「あー。お前か」

「ごめんね、さくらじゃなくて」

「なに言ってんだよ」
 
くすくすと笹木は笑った。少し切なくなった。

「ええと、だいじょうぶか、笹木」

「だいじょうぶだいじょうぶ」
 
そう言いつつ、笹木は夕陽を見上げる。

「ごめん、気ぃ使わせて」

「そんなことないよ」

「いやー、振られましたよ」
 
笹木は自虐的に言った。