「あ? なんだよ、大学生って……まさか、あの美人の先生と何かあったのか?」

怪訝そうに眉を顰めた後、面白い玩具を見つけた子どものように目を輝かせる響也。

「何かって?……ああ、残念だけど、そんな期待されるようなことはないよ」

「俺が何を期待してると思ってんだよ」

ニヤニヤと、意地悪な逆質問。

僕は結露して雫の垂れるグラスを持ち上げた。

「僕と水琴さんが愛を語り合う仲にでもなったと?」

響也に微笑みかけながらそう言い、氷が融けて薄まってしまったオレンジジュースを口に含む。

「……そういうことはもっと動揺しながら言えよ。つまんねぇ。てか、愛を語り合う仲って。お前じゃなかったら大笑いしてるわ」

「似合うならいいだろう?」

「へっ、自分をよく理解していらっしゃるようで」

響也も僅かに残っているオレンジジュースを、氷ごと飲み干した。

ガリガリと聞こえてくる氷を噛み砕く音に、ふっと笑みを漏らす。

「……まあ、そんなことは有り得ないことだけど。いっそのこと、“そういう仲”になった方が簡単なのかもしれないと思うときはあるよ」

「なに!?」

タン、とグラスをカウンターの上に置き、響也が驚いた顔をする。