「それじゃあ、後は恨みっこなしで」
「嗚呼、共に楽しもう」
なんだか少年漫画みたいなカッコイイ台詞を交わして、破壊神と富士の野生児の帰宅が始まった。
―――んで、異変はすぐにやって来た。
正門の前で一列に列をなしているワンコ達。
どれも中型犬クラスの大きさで、雑種(今ではミックスって言うんだっけ?)の野良犬といった風貌。
なんだかウーウー唸っていて、鋭い牙を覗かしている。
ありゃ噛まれたヤバイな。野良犬っぽいし。
「早速きましたね」
異様な光景に違いないが、今日の俺は冷静だ。
富士の野生児の一回戦の映像は、すでにチェック済みなのだ。
彼の戦法は野良犬トラップ。



