いつものように教室へ扮したスタッフが教室へ入って来る。


教卓の前に立つ。


いよいよ始まるのだ。帰宅部全国大会が!


「さようなら」


「「さようなら」」


開始の合図と共に、戦いの火蓋が切って落とされた。


流石全国大会出場者。慣れた手つきで鞄を手にすると、そそくさと教室から退場して行く。


一寸の無駄もない。歩くスピードも速すぎず遅すぎずと完璧だ。


俺達も続いて教室を出る。


昇降口を出てからが勝負。いつぞやみたいに、正門に変態がいるかもしれない。


周囲を警戒しながら歩き出すが、変質者らしき影は見当たらない。


一先ず胸を撫でおろす。変態の相手は不良達よりもキツイ。精神的な面で。