「もうだめぇ」

「何言ってんだよ!疲れてないでさっさと探せよ」

 もう何時間も栞を探し続けているが、どこにもその姿を見つけられなかった。

「死んでも疲れるんだね。もうクタクタ~」

 すっかり日は落ち、辺りは暗くなってきていた。あいかわらず身体は光を放っている。

「もしかしてさ、家に帰ってるんじゃない?もう一度栞の家に行ってみようよ」
ふと思いついて提案すると、クロは首を横に振る。

「家におしかけてみろ。またパニックになってそいつの親に迷惑がかかるだろ」

「そっか・・・困ったな」

 栞が驚くのも無理はなかった。死んだと思った相手が急に現れたのだから、誰だってびっくりするだろう。