(緑涼の部屋)
緑涼の部屋には、かなり重い空気が流れていた。
お互い話しづらいのか、酒に手が伸びるだけ・・・。

「俺・・・久しぶりなんだ。人間のことが心配になったのは・・・」

重い空気の中、口をあけたのは風燕だった。
彼はまだ話しを続ける。

「正嗣のとき以来なんだ。こんな気持ちになったの。その時も・・・俺が正嗣に切りかかってさ・・・。」
「だからか。お前と火燐をここに連れて来た時、傷だらけだったのは。」


緑涼は、そういって笑いながらまた酒を飲む。

「だからさ・・・なんか・・・なんかあいつの事ちょっと心配になったんだよ。」

風燕はそういうとコップの中に入っていた酒を飲み干した。



「謝りたいって気持ちもあるのか?」
「・・・まぁ。でも、どう話していいかわかんなくってさ・・・」



その問いに緑涼は笑いながらこう答えた。



「気持ちのまま、椿に伝えたらいいべや。お前の言葉で。」




と・・・。