(10・26 PM6:40)

飛行機は離陸し、暗くなった上空をフライトしている。
火燐は椿の手を握ったまま、うとうとしていた。
そのすぐ後、椿の肩にちょこんと頭を置いて寝てしまった。


「手・・・痛いです(泣)」
「ごめんな。でも、このごろ火燐に強く当たりすぎてるかもって思ったら、怒れなかったべ(笑)」

緑涼は、そういいながらキャビンアテンダントから3人分の飲み物をもらい、椿と火燐のテーブルの前に置いた。

そして、静かに火燐の手を椿から離した。椿の手は真っ赤になっている。開放された椿は、ジュースでその手を冷やした。


「火燐だって、椿といっぱい遊びたいんだなって・・・今日一日、一緒に街で買い物して分かった気がするべや。」


そういいながら、緑涼はジュースに口をつける。