「あっこの本・・・」 「なした、火燐?」 火燐は、本棚の一番上の本を必死に手を伸ばして取っていた。 「風燕が欲しがってた本だべ。続きが無くって困ってるって前いってたべや。」 「ほ~・・・」 緑涼もその革張りの本を手に取ると、店の家主に本のシリーズすべてを出してもらっていた。 「火燐、何巻から無いって言ってた?」 「たしか・・・6巻からあと全部。」 「じゃ、7巻から後全部で。」 ということで、本の大人買い。 紐でくくられた本の束を持って再び車に乗り込んだ。