(車内)
椿は、正嗣と美佐子がいるベットルームに入っていく。


「どした、椿?」
「・・・」


椿は何も言わず正嗣と美佐子にくっついた。

「椿・・・」
「どうしたのいきなり・・・」
「ずっといてほしいよ・・・」


泣きながらくっついて離そうとしない。


「椿・・・お母さんだって一緒にいたい。いたいよ・・・。」
「俺も、椿と一緒にいたい・・・」


そういいながら、美佐子と正嗣も椿を抱きしめる。

「でもな・・・俺たちはもう行かないといけないんだ。」
「お母さんも辛いの。居れるならずっと一緒に居たいもん。」

そういいながら椿を引き離すと、正嗣達は椿の顔にぽんと手を置く。


「椿は、まだ生きなきゃいけない。みんな悲しむだろう。」


正嗣は、微笑みながらそういった。

「うん・・・。」

「緑涼達も俺達の子供であって、椿の家族なんだよ。だから、生きなさい。」
「・・・わかった・・・。」

このとき、ドアのノ向こう側で緑涼達もこの話を聞いていた。

ばれない様に声を殺しながら泣いていた・・・。