(病院3階 一般病棟)

椿が扉を開けると、そこにはベットの上で座る火燐と、少し疲れている緑涼達だった。


「椿ちゃん。」

火燐はそういうとベットから手を伸ばす。
点滴と緑涼の監視でベットから離れられなかったからである。
椿は火燐のそばに駆け寄ると、思わず抱き締めた。

火燐の顔が少しずつ紅くなっていく・・・

「よかった・・・よかった・・・」

椿は嬉しくて泣いてしまった。

「な、何で泣くべや。」
「心配だったんですよ。ずっと、ずっと・・・。」

火燐は、静かにゆっくりと椿の頭をなでた。
その時、椿は、文乃からのおむすびを思い出す。

「これ、文乃さんからです。お弁当、みんなの分って・・・」

そしてみんなで食べようとしていた・・・