禮漸は、みんなの少し後ろをぽつぽつと歩いていた。

椿は、緑涼に聞いてみた・・・

「煙草屋さんの女将と禮漸さんは知り合いなんですか?」

「んだ。禮漸は、親に捨てられてたらしい・・・それをあの女将が見つけて、自分の子供のように育てたって訳だ。」

「そうなんだ・・・。」

「おらも、元々親に捨てられた身なんだけど、あいつと違って育ててもらうなんて事もなかったし・・・ひたすらあの世やこの世で暴れまくって、悪の限りを尽くすというか、なんと言うか・・・」



少し黙った緑涼の横顔は、何かを懐かしむような顔をしていた。椿はなぜかその顔を見とれてしまった・・・。