学園の敷地内に佇む古い教会は、白い壁に色あせた朱色の屋根、綺麗な細工が施されている黄土色の扉の横に、窓のステンドグラスの綺麗なマリアが微笑んでいる。古びてはいても、とても綺麗な雰囲気を漂わせていた。

その教会の中で、由希はマリア像の前で祈っていた。

すると、扉が ――ギィ―― と音を立てて開き、その音と共にシルエットが浮かび上がった。

そのシルエットは、由希と同じくらいの髪型で、ワンピースのセーラー服のような格好だった。

シルエットを見る限り、白石女子学園の生徒のようだ。

「二時間目まで耐えられるなんてすごいじゃん!」

シルエットの彼女はそう由希を称えながらツカツカと歩んできた。
それと共に、扉が ――ギィ―― と音を立ててしまる。

由希はそのシルエットの彼女を、ただただ見つめた。