「だから、食事をした事さえ忘れて、1日に何度も食べるんです」 「はぁ?」 認知症って大変なんだな? 「だから、毎日沢山作って…あげてたんです」 「そう……なんだ」 女は苦笑しながら、野菜を切り始めた。 「もう…一緒に暮らして…ないのに…。つい、作りたくなって…」 おいおいっ、泣くなよ…。 俺が泣かしたみてぇじゃねぇか。 ってか、俺はどうしたらいいんだよ。 気付けば… 後ろから抱きしめていた。