翌日の昼休み―――。 俺は彬に連れられ理事長室へ。 理事長は不在らしく、俺らは理事長室で昼食を取ることに。 彬は棚から1冊のファイルを取り出した。 俺はパンの袋を開け、彬の話に耳を傾ける。 「諒、昨日言ってた子は多分、1年の南 風果(みなみ さやか)。両親を10年前に事故で亡くし、父方の祖父母に引き取られ…5年前に祖父を病気で亡くしている。」 「じゃあ、今は祖母と2人暮らしか?」 「資料にはそう記載してある」 「じゃあ、姉妹はいないのか…」 「…そうなるな」