俺の腕の中にすっぽり納まる彼女のおでこに そっと……触れるだけのキスをした。 生まれて初めてした口づけは、 恥かしさと嬉しさと衝動で 彼女のおでこから唇を離した後も 暫く、余韻が残っていた。 俺にしては頑張った方だと思う。 どうしていいのか思考が上手く働かずとも、 何とかなるモノだと初めて知った。 彼女は俺がキスした事も 俺が彼女の肩を抱き寄せる事も 嫌がる素振りを全く見せず、 下車予定の駅に着くまで 何も言わず寄り添ってくれた。 肩を寄せ合い 甘い時間を 本当の恋人のように