「奏くん…」 「退屈だろうと思って。はい」 手渡してくれたのは。 「チョコレート?」 「さっきそこで会った女の先生に、ちゃんと聞いたから大丈夫」 「ありがと…!」 キャンディみたいに包まれたチョコ。 握ってた熱で、少し溶けてる… それでも、とっても嬉しかった。 「あれ…、奏くん、学校は?」 「さぼり」 「ダメだよサボっちゃ!!確か今日、テストじゃ…」 「いーんだよ。どうせ、学校に俺の場所なんかねーし。ここに行かなかったら、溜まり場に行くから」