僕は杏里をこんなにも愛してるのに！
こんなにも愛しているのに！・・・。
なんで？なんで返事しないの？

僕は我に返った。
気が付くと彼女の腹には鋭い果物ナイフが刺さっていた。
真っ赤な血を流し倒れていた・・・。
まるで眠っているのかのように。　　
綺麗な顔をして・・・。

彼女の頬に滴が落ちた。
ぼろぼろと彼女の頬に流れてゆく。
僕は泣いていた。
大粒の涙を流し、手の感覚がなくなるくらいに。
僕の涙で真っ赤な血が洗い流されてゆく。
でも僕の心はまだ何かえお求めていた。
ふとこんなことが頭をよぎった。
「誰が杏里を殺したんだ？」

自分がわからなくなった。
なぜ杏里は血を流しているのか
なんで僕は泣いているのか
「誰が杏里を殺したんだ！！」

うつむいた瞬間きずいた。
自分の手に真っ赤に輝く血がついていることを。
「なんで血なんてついてるんだ？」

僕が殺したのか？
でも何のため？
一生自分のものにするため？