君色。-kimi*iro-


もうすっかりおっさんの事を忘れていたいつかの夕方頃


「桜っ!!」

「んぁ?……おっさんかよ」

「何だ、名前を呼んじゃいけないか?」

「……つか、何で知ってんだよ」

「…おっさんにはな人には言えないことがあるんだ」

「ならいいや。警察は、と」

「ごめんっ!!許してっ!!」

余りの必死さにケータイを閉じた

「…馬鹿じゃねぇのっ」

自然に笑えた

「………なんだよ?」

おっさんは俺を見て静かに微笑んだ

「わっ!?」

「今日はどうするんだ?」

おっさんは俺に問いかけた
これはきっとおっさんなりの優しさ