もう引き気味だったけど構ってられない


……衣装室、衣装室………

「ここか?」

暗幕の掛かった部屋が一つ



「……桜の馬鹿………」

小さなつぶやきが聞こえた


「誰が馬鹿だ、誰が」

「っ!?」

「だあほ。急に走んな馬鹿」

逃げようとするから悠紀を自分の腕の中に引き止めた


「……あのさ、何勘違いしてんの」

「……じゃない、あたしは」

「あぁん?」

「勘違いじゃ無いわよっ!!あたしはずっと前から桜を知ってたもんっ!!」

「はぁ?」