「ねぇ、君ってさーここらで見ない顔してるよね。転校生?」
「ええ」
学校へと向かう途中、男に話しかけられたが、足を止めることなく歩く。
すると、しつこく男はついて来た。
「ふーん、良かった。やっぱり転校生なのかー良かったよ本当に。よかったら、俺と今からデートしない?もっと君のこと知りたいなー」
足を止めると振り返った。
「いくらで?」
「え?」
突然止まった私にびっくりしたのか、言葉にびっくりしたのか分からないが、驚いたような表情を男はしていた。
「いくらで私を落とそうとしてるの?それとも、後ろのこそこそ隠れているあの二人との遊びなのかしら」
ばれた、と男は私から目を逸らし頬を掻いた。
「参ったなー……なんでバレたの?俺、種明かしが聞きたいかな」
そう私に言うと、電柱の後ろに隠れていた二人を呼んだ。
「急いでいるので」