パシッ
叩かれた頬に痛みが走る。
「理子、お前がやったのか。」
叩かれた衝撃で顔を俯くと顎をつかまれる形になり、
怒ってらっしゃるのが分かった。
「いいえ。」
否定するとゆっくり唇を撫でられる。
マスターの表情が歪んだ。
「どの口が言う。あいつには飯をやるなと言っただろう?お前はそこまで馬鹿なはずがない。俺を失望させる気か」
ピクリと肩が動いた。
「すみません。……あの方は双子ですので。」
「はっ、答えるつもりは無いか。まあいい。」
そう答えるのが分かっていたのか
いつもの無表情が、満面の笑みに変わる。