時を駆けた夏 ~また、君に恋をする~




「夏!」



素直に『わかりません』と言おうかどうか悩んでいると、隣の席から声がした。



チラリと見てみると、哉太がノートに“X=60”と書いて、そこを指差していた。



「…X=60、です」


「…正解だ。哉太に頼らずに、真面目に授業受けて自分で解けるようにしろよー」



先生がそう言った瞬間、どっと笑いが起きる。



…バレたか。