「静奈…」 「なぁに?」 ベランダの手すりと自身の身体で静奈を囲いながら、ギュッと密着する。 余りの密着に静奈は後ろが振り返られなかった。 「律?」 「静奈さぁ…、前に言ってたじゃん?」 「何を?」 「“私のこといつから好きなの?”って」 あぁ、と思った。 確かに前にそんな事聞いた気がする。 その時は、“秘密”だなんて教えてくれなかったんだ。 「それがどうかしたの?」 静奈が聞くと、高柳は一瞬黙ってから話し出した。