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「どういうことだ?律」


目の前に座る五十嵐社長はご立腹だった。

高柳が社長室へ行くと社長が友香との婚約について聞いてきたのだ。



「友香…結城が提案してきたことです。こんなに早く話が進むとは思いませんでしたが。」

「Kグループ社長は乗り気らしいぞ。いいのかお前!?」



良いわけねぇだろ。

そう言いかけて言葉を飲み込む。



「俺はお前はてっきり静奈ちゃんのことが好きだと思っていたぞ。まさかあの子と…」

「結城とはもう終わっています。アイツが勝手に話をしているだけです」


そうか、と社長はホッとしたように座り直す。



「しかし…会社の為には良い方法ではありますね。」

「は?会社の為に結婚するつもりか?」

「Kグループは我が社にとっては大きい取引先の一つです。俺と結城が結婚すれば鮫島に揺さぶられることもなくなる。ある意味、安泰でしょう」

「俺を甘く見るな。社長は俺だ。お前がそんなことしなくてもこの会社は俺が守る。」



冷静に話す高柳に社長は正面から睨みつける。