「止まれ、前からまた10人来る」
前方で待ち伏せていた10人、加えて後ろから、残りの4人が来て、挟まれた。
「あー……この先はジャマが入って未来見れてないな」
「そこだよなー、お前の弱点」
相手と目が合わなければ未来や過去を探れない。
気が反れると、見ていた未来が途切れる。
過去を見るとき、人の過去に直接触れる。
即ち、見られている側もなんとなく触れられている異変に気付くことがある。
大抵の奴は未来を見られている時、違和感はないらしいが。
まぁ楽天家な奴は気付かない奴も多いな。
それが俺の能力の弱点。
そうこう考えているうちに、奴らはまた襲いかかってきた。
攻撃はトーマの役だ。
俺は基本的に決定打専門。
それ以外はいなして、攻撃をかわす。
高校生相手にヘタに急所ばかり打てない。
パンチを右から左下に受け流し、背中を軽く蹴る。
二次被害でそれに躓く奴も意外といるから転がっておいてくれ。



