XXビル7階。
パスワードは1298
扉を開けて右方向奥の金庫。
パスワードは6295。
確認した瞬間俺は走り出し、一瞬で赤男の胸ポケットにあるカードキーをスッた。
これは入り口のキーだ。
同時に赤男の首の後ろを叩き、気絶させた。
あぁ、一瞬で片付くってなんて楽なんだろう。
それでも手加減はしている。
周りの奴らもうまくパニックになったところで、トーマはその隙にバッタバッタと倒していく。
そしてこの先を急いだ。
「相変わらずその盗みのスピードは怖いくらいだな」
そんなことを言うトーマに、少し驚く。
「怖いなんて思ってたのか」
「使い方によっちゃ、一瞬で人殺せるようになるぞ」
「大丈夫だ、殺人鬼になるつもりはない。……そこの角、左に曲がれ」
さっきの赤男の記憶で見た道を走る──あ、マズい、忘れてた。



