近距離ならサングラスをかけていたとしても、そこまで壁にはならない。

余裕で見れる。


ただ、俺は眼帯をしているが。



「ねーちゃん」

「レイン」



そう強い口調で名乗るレインは、トーマの『ネーチャン』癖を直そうとしているのか、はたまた単に嫌なのか。

トーマは名前に言い直してから言った。



「……レインさんよー、俺いまいち把握してないんだけど。今までの依頼とは少し違うことくらいはわかるけど」



確かに、トーマはこの件に関しては一切関係ない。

『依頼が来た、集合!』としか言っていないからな。



「そうね……まずは依頼の説明になるから、威鶴から説明した方がいいかしら?」

「そうですね」



そう提案され、俺はまず、どこから話すかを考える。

依鶴という占い師の存在からか、単に知り合いから依頼が来たと言うか……。



そう言えば……今日トーマの姉とは初めて会ったが、依鶴としてトーマと会ったことはないな。