トーマの後ろからレインが現れ、一番奥の席へ行った。


「威鶴、トーマ。今回は例外として、長期間働いてもらうことになりそうだわ」

「マジかよ……」



心底嫌そうな顔をしている、ソファーの上で正座しているトーマ。

つーか俺がさせた。



ソファの上にしてやっただけでもありがたいと思え。



「ねーちゃん、どんな依頼?」

「いい加減レイン様とお呼び、トーマ」



様はいらないだろう。

レインは時々、本気なのか冗談なのかわからないことを言う。

レインの性格は未だに掴めない。



「悪いわね、アンタにはトバッチリで急遽仕事にしてしまって」

「トバッチリ……?」

「今回の件は、威鶴の紹介よ」



じ……と俺を見つめるトーマ。



「見るぞ(過去を)」

「勘弁」



そう言って目をそらす。