でも、嘘を言うよりは、事実を伝えた方がいい。

事実を伝える事が、私の仕事でもあるから。



「一度家でじっくり整理してみて、自分を落ちつけてください。あなたが焦っても状況は変わりません」

「……はい」






彼を外まで送り、私は一度自分のマンションに戻った。

現在午後五時、BOMBから連絡が来るのが10時頃だとして、それまで五時間、睡眠をとろう。



一度部屋着に着替える。

アクセサリーも取り、ウィッグも外し、メイクを落とす。



――寝るのが怖い。

消えちゃいそうで。



だから、『私』は寝ない。



男スイッチ、on。





一つ、ため息をついた。



「寝るか」



布団にもぐり、深い眠りについた。