頭の中を猛スピードで駆け巡る映像。
「1分後、右の三人が出てくる──それに続いて左も。足止めをくらって後ろの奴らにも追いつかれて十人で襲いかかってくる」
「それで?」
「──右だ。右にいる赤い服の男をどうにかすれば、周りがパニックになる。コイツがこの中じゃトップだ」
「右の赤、な」
さらに見ている時を進める。
この先、このまま対処しなかった先の未来を見ようとして。
「──聞こえた」
脳内でそれを捕らえたと同時に、現実の耳にも届いた音。
タイムオーバー。
「チッ、もう1分経ったか」
「右か?」
「右の赤!」
木の影から現れた男たち。
恐らくこの辺りで見張っていた奴ら。
高校生だ。
そして一番出張ってきてる男を見る。
「お前らここがどういうとこだか知ってんのか?」
そう言ったのは、赤い服の男。
さっき見た未来で他の連中に指示を出していた男は、コイツだ。



