威鶴の瞳



トーマのこの口の悪い話し方とも、もうすぐお別れか。

……長かったけど短かった。

楽しくもあったな。



「忘れてくれるなよ?親友」



初めて……その単語を口にした。

友達か?と聞かれれば、何か違う。

パートナーだ。

でももうパートナーじゃない。



としたら友達に戻るか?

いや、もうこれは……その域を越えてるだろ。



「悪友の間違いじゃねーのか?」

「お前は悪でも俺は正義だ」

「威鶴が一番悪だったわよ、この問題児が」



レインからすれば、俺もトーマも問題児だったらしい。



「ふふっ、威鶴ってこういう子だったのね」



それを笑う千鶴。

少し恥ずかしい。

でも、千鶴にも知ってもらえて嬉しいのが本音だ。