そう言って、私は笑った。
笑ってお別れがしたいから。
トーマに悲しんでほしくなかったから。
私が今、本当に幸せだということを、伝えたかったから。
トーマは、強く強く、私を抱き締めてくれた。
「……俺も、愛してる」
トーマがそう答えてくれたから、私は……幸せなまま、眠りについていった。
「……トーマ」
「……」
「トーマ、まさか……泣いてるのか……?」
気付けば俺は、病院にいて、トーマに抱きつかれていて……とても胸が、熱くなっていた。
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