――そして、頭が真っ白になって……。



揺らされて覚めたと思ったら、目の前に知らない男がいた。

……誰?



その後ろに見える天井に、なぜか痛む頭、乱れる息、とにかく暑くて……苦しい。

さっきまではこんな体調の変化は微塵もなかったのに。



そして、誰?



「あの、どなたですか……」

「……え、威鶴じゃねーのか?」

「なんで名前……、柴崎依鶴、ですが」

「あ、占い師の……」


もうなんでもいい。

この人が誰で、ここがどこで、なんてどうでもよくなって。



「俺は竹原透眞っつーんだが」

「苦しい……すみませんが、少しだけ、助けて――」