「……」

「……」



お互いに無言。

話すべきことは話したから、何を話していいのかわからない。



こういう時に、人と関わってこなかった昔の自分が少し憎い。

……と言っても、目も合わせてもらえなかったのは『依鶴』の方だけど……。



こういうのが『コミュニケーション』てものなのかな?

目とか耳とか、こんな能力はいらないから、コミュニケーション能力が欲しかった。



トーマの方が気になって、視線だけをトーマに向けてみる。



――と。

視線が、交わってしまった……。



数秒、思考停止。



……え?