ただ、あの時は毎日がイライラしていて、ケンカで発散して、女遊びもしていた。
でもそれを家族に知られることはやっぱり隠したいことで、俺はいつしか年上はみんなねーちゃんと呼ぶようになっていた。
年下はじょーちゃん、でも子供扱いみたいで嫌だと言われるから、年下はやめた。
そんな適当な関係が二年くらい続いた。
ついに親が学校に呼ばれたらしく、俺に関心のなかった父親が俺に説教を……いや、ただ怒りをぶつけて来た。
「お前はそろそろそのダラシナイ生活をやめろ。まだ続けるなら出ていけ。目障りだ」
父親との久しぶりの会話で、そんな言葉をぶつけられた。
もう、親としての無償の愛も何もない。
俺に対しては煩わしさしか感じていない。
その言葉を聞いて、俺は叫んだ。
『こんなとこ出て行ってやる』『シネクソジジイ』『テメーなんて親とすら思わねーよ』
言い連ねた言葉の数々、椅子や机をめちゃくちゃにひっくり返し、皿を割り、棚の上の小物も鉢植えも何もかも力の限り地面にたたきつけ、それでも怒りは収まらなかった。



