トーマが、明らかに動揺したのが分かった。
ごめんね、トーマ。
ずっとずっと、隠し続けてきていて……
ギュッと、トーマが強く拳を握りしめて、俯いたのが見える。
……ごめんなさい。
「……映像だけじゃ伝わらねぇこともあんだろ」
低い声で、そう聞こえて来た。
「……え?」
「だから……いくら過去を見たからっつっても、俺のその時の気持ちまではわからねぇだろ?」
「……あ、はい」
「だから……」
ため息。
怒っているようには見えない顔で、私をしっかりと見つめて、言ってくれた。
「俺はそれだけじゃ、伝え足りてない。だから今度は、俺の罪を聞いてほしい」
そう言ってトーマは、怒ることもなく、悲しむわけでもなく、ただ、ほんの少しの笑みを向けて、私と向き合った。
「聞いてくれるか?」
「聞かせて、ください」
静かに、その過去を打ち明けてくれた。