「威鶴が初めてあなたに会った時、トラウマであるあなたの過去を、見てしまっていたんです──」















ずっとずっと、言えなかった。

言わなければいけなかった。

でも言えなかった。



過去のトラウマというもの。

知られたくないに決まっているものを、私が……威鶴が、見てしまった。



ずっとずっと、知っていた。

見てしまった事を、後悔した。



でも……あれを見なければ、トーマを拾うこともなかった。



悔やんでいる、でも、見て良かったとも、正直思っている。