だって、トーマがそうだから。

トーマに、トーマの口から、隠してきた想いを聞かせてほしい。

そう、強く願うから。



私は、私の隠してきた想いを、知ってほしい。



トーマに。



「言っただろ?俺はお前を独りにしない」

「……」

「たとえお前が何人居ようとも、独りになんてしねーよ」



『だから、どんな話しでもいい。話してくれ』



その言葉を、信じていいのか……?

でも、もう、後には引けない。



私はトーマの顔を見て、苦笑いを向ける。



「私は、『柴崎依鶴』という人の中の、一部の『人格』です」



ポツリポツリ、『私』を話す。



「柴崎依鶴の精神は、数年前に三つに分裂しました」

「分裂……?」

「はい。主人格の『柴崎依鶴』、トーマさんもよく知る『男』の人格『威鶴』、そして、柴崎依鶴の……コピーのような、『私』という人格」