トーマに、もう、全てを話してしまおう。
「トーマ、『お前を独りにしない』って前に言ってくれたよね」
もう、私は私を偽らない。
今は『依鶴』のニセモノじゃなくて、私と言う人格として、彼と対立しよう。
私の意志は、ようやく固まった。
「私の話を聞いても……難しいかもしれないけれど、一人にしないでほしい。受け入れるのは難しいかもしれないけれど、これが『私たち』だから。そうとしか、言えないから……」
こういう話は、嫌われることを覚悟で話すことが、重要なんだと思う。
気味悪がられるかもしれない、でも、今までだってそうだった。
最近が以前よりずっとずっと居心地が良かっただけ。
自分を偽ることで得て来た小さな幸せ。
でも、それで本当にいいの?
ニセモノのままで、私は満足?
――嫌、私は、イヤだと思う。
『依鶴』がそれを望んでいたとしても、『私』という人格は、いつまでもごまかしてなんて居たくない。



