しばらく待っていれば、レインが部屋に入って来た。
「依頼人は、紫崎依鶴さん。内容自体はトーマのものよね。話して」
「あぁ」
一呼吸置いてから、トーマは話し始めた。
「竹原叶香に今起きていることを、探ってほしい」
「……今?範囲は?」
「過去2ヶ月くらいから、とりあえず明日まで。出来れば早く知りたい」
うーん、と唸り、少し悩むレイン。
依頼自体は問題ないはずだと思ってたけど、何かまだあるのだろうか?
「竹原叶香はウチの常連さんだからねぇ……。トーマ、それは誰のためにすること?」
あの話を聞く限り、『誰』と明確にするのは難しい。
あえて言うなら竹原叶香の為……?
私はそう思っていたけれど。
「……家族の為だ」
「あくまで家族の問題と思っていいのね?」
「あぁ」



