でも1つだけ、私の中でこれは絶対だと言える感情がある。
「透眞さんは、怖くないです」
威鶴との仕事を、ずっと見て来た。
「優しいです」
不器用な優しさ。
遅刻するし、ロも悪くて、手も速いけど。
「私のこと……初対面だったのに、看病してくれたじゃないですか」
「あれは威鶴からメールが来て……」
「心配、してくれたじゃないですか」
こんなに優しいのに、怖いわけがない。
「私の過去、聞いてくれました」
私の歪んだ過去。
少し嘘……というか、言っていない部分もあるけれど、初めて過去を誰かに話した。
『俺はお前を独りにしない』
そう言ってくれた言葉に救われた。