確かに透眞が会いに来ようとすれば、会える。

でも、私からは会いに行けない。

依鶴としては、透眞の情報は一切ない。



──会いに、来てくれるのかな?

かすかな期待が悩を占める。



と、その時。



『乙女してないでベッドに戻れ』



威鶴からお叱りを受けた。



私と威鶴はコンタクトが取れる。

恥ずかしいことに、表に現れてる人格の思考がお互い筒抜け。

だから、こうして口出しすることは普段はしない。



威鶴がどんなにヒドく敵に爆弾を仕掛けようが、私がどう占いでお客様を引き込もうが、お互いノータッチ。

それどころか、眠っている事も少なくない。



だから私も威鶴も『中』に居る時は休んでいるから精神は疲れないし、肉体が疲労を感じない限りは眠らなくても大抵は大丈夫。

言ってしまえば、目が休まるくらいの睡眠さえあればそれでいい。



今回は風邪という天敵だから、肉体も十分に休めなければいけないけれど。